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骨までしゃぶろう新エンジン!(4) (七篠権兵衛 さん)
2003/9/27

注意
本記事はVersion 1.28(07)+(先行配布版)を元にして構成されています。
正式バージョンでは無いことをあらかじめご了承ください。

これが新エンジンだ(シナリオプレー編)
「貼紙を見る」よりシナリオを選び、そして開始する手順は、
今までのものと何ら変わらない。
ただ、新版にはキーボードでシナリオを選択することで
プレイできぬはずのシナリオをプレイできるバグが存在する

間違ってプレイせぬように注意してほしい。

隠蔽状態
1回目のコラムでも述べたとおり、新バージョンでは
カードをパーティーメンバに被せる表現が出来なくなっている。
そのためメンバーをカードで隠蔽することが出来ないのだ。
旧バージョンにあった以下のような表現が不可能になったのである。
メンバ隠蔽サンプル(旧版)
そのため、新バージョンにおいては
システムでメンバーを隠蔽する機能が搭載されている

この機能を使った場合、カードが裏返り、このように隠蔽される。
メンバ隠蔽サンプル(新版)
隠蔽されたメンバは行動不能として扱われ、
戦闘の参加も、カードの移動や使用も不可能
になる。
また、基本的には会話への参加も無い。

「味方全体」対象カードの仕様変更
これまで、「味方全体」を対象とするカードは
使用者自身を対象とするカード同様に、
メニューカードへの利用が出来なかったが、新バージョンでは
使用時に対象選択を行うことができるようになり、
パーティーメンバはもちろんメニューカードにも使えるようになった。

これまでどおりパーティーメンバーに使いたいときは、
対象選択でメンバーを対象にして使えば
全員に対してカードの効果を発動できる。

背景クリックによるイベントの間のジャンプ
システム設定
上のように、
システム設定(所持金表示の右側にある歯車ボタンで開く設定)
にあるこのオプションにチェックを入れておくと、
(デフォルト(初期設定)ではチェック入り)
シナリオ内のウエイトを背景をクリックして
スキップすることができるようになった。
ただし、シナリオ内において
空白時間として設定されているウエイトは
この方法でスキップできるが、
ステップの計算処理、グラフィックやカードの表示、
「所持金変更時の視覚効果」によるウエイトなど、
なんらかの処理をしている場合は、
いくらクリックしても飛ばすことは出来ない。

NPC増殖バグ
バグ発生時の状況
これは、新バージョンの画面表示にまつわるバグだ。
現在状況のセーブなどで使う「キャンプ」メニューにて
「冒険の中断」を選択し、その後再開したときに
再び「キャンプ」メニューを見ると、
同伴のNPCが増殖しているというのである。
かなり驚かされるバグではあるが、
実際にNPCが増えているわけではなく、
いったん通常の「テーブル」画面に戻って
もう一度「キャンプ」メニューを表示しなおすと直っている
のでご安心を。

称号表示の変化
さて、シナリオを終えたときに発生する
レベルアップに密接なつながりを持つ称号について、
新バージョンではアイコンが変更され、以下の4つになった。
(1) (2) (3) (4)
称号点:0 称号点:1 称号点:2以上 称号点:マイナス
まず、基本的な称号は1番のようなアイコンで示される。
「○×との面識」などがこの類だ。
ついで、何らかの功績を残した際の称号は
2番もしくは3番のアイコンで示される。
前者は「ゴブリン退治」など、一般的な依頼における称号だ。
後者は「カナンを倒せし者」など、さらに大きな功績に与えられる。
そうそうお目にかかれる物ではないだろう。
最後のアイコンは、いわゆる「汚名」というものを示す。
依頼に失敗してしまったなど、
今後の冒険において挽回せねばならぬ「称号」だ。


補足・追記
今回の一連のコラム内で採録できなかった
新エンジンのその他の変更や留意点などについて、
この場を借りてお伝えしようと思う。

「音源リセット」の追加
戦闘後のBGM演奏がおかしくなった経験は無いだろうか。
またほかにも、シナリオ終了後の宿の曲が変になる、
といった経験のある方もいるかもしれない。
今回追加された「音源リセット」は
そういったBGM演奏の不具合修正のために用意されている。
詳しい説明は省かせてもらうが、一言で言うなら、
BGM演奏の前準備を行うための「無音のBGMデータ」が
追加されたということである。
これまで「音源リセット」というと、
数秒から1秒足らずの短い演奏時間ゆえに
繰り返し演奏されることによってシステムに多大な負荷をかけ、
システムのフリーズを引き起こすものとして
たびたび問題視されることが多かったが、
これはあらかじめ「演奏時間」を長く取ることにより
連続演奏によるフリーズの回避を行っている
ので、安心して利用できる。
ただ、音楽変更の際にこのBGMデータが自動で演奏される、などといった
仕様にはなっていない
ようだ。なので、あらかじめショートカットを
デスクトップないしはタスクバーの「クイック起動」に忍ばせておいて、
曲が変になったときはクリック一発、といった
手動での利用が当面は主流になるだろう。

入手とインストールの手法
新バージョンについてだが、現在Engine Version 1.28(07)+(先行配布版)が
groupAsk official fansiteにて配布されている。
2003/9/27現在、「ダウンロード」の項目から入手ができるようになっている。
通常はリンクのクリックでダウンロードできるだろうが、
ダウンロード数をカウントするcgiとの相性でダウンロードに失敗する例が
まれにあるようだ。この配布サイトにおいては失敗する場合は
「ダウンロード支援ソフト」の利用を推奨しているが、
ソフトの導入が面倒に感じる人も多いだろう。お勧めは出来ぬが、
cgiを介さずにアドレスを直接入力するという手法でもダウンロードに成功した。
ダウンロード支援ソフトを探す手間を省きたい人は試してみるのもいいだろう。
参考までに、2003/9/27現在、以下のアドレスでダウンロードに成功している
http://ask.rainbowsnail.net/product/cardwirth_patch.cab(cab版)
http://ask.rainbowsnail.net/product/cardwirth_patch.lzh(lzh版)
なお、これはまだβ版なので様々な不具合が残っている可能性があるということは
よくよく留意しておいてほしい。 このコラムの2回目で書いたように、
データ破損などの不測の事態に備え、コピーした宿を新エンジン用にするなど、
何らかの対策を講じるのが賢明といえる。
ダウンロードとファイルの展開が済んだら添付文章の指示どおり、
「CardWirth.exe」を今使っているCardWirthフォルダに移し、
さらに「Midi」フォルダ内の「DefReset.mid」を
CardWirthフォルダの「Data」フォルダ内の「Midi」フォルダへ移す。
あわてて「CardWirth.exe」だけ移して「DefReset.mid」を忘れていると、
BGMが鳴らなくなる
のでご注意を。
繰り返すがこれはβ版なので、何らかの不都合が生じる可能性もある。
上書きはさけて、「NewWirth.exe」というようにリネームした上で
CardWirthフォルダに移すのがいいかもしれない。
もちろん旧バージョンの「CardWirth.exe」をリネームしてもいい。この場合、
シナリオエディターで起動されるのは新しいバージョンの方になる。


終わりに
8月末より一月にわたって新エンジンの
変更点や新機能について述べてきたが、いかがだっただろうか。
私自身、本稿の執筆にあたり、
新エンジンを用いてさまざまなテストやチェックを行った。
今回の変更は、言うなれば「バージョン1.30」への布陣とも
言えたかもしれない。
4年の長きに渡ってシナリオの実行環境として親しまれた
1.20からの変更は大きいが、その変更はこれまでのエンジンの
状況を踏まえたものであるだけに、もつ意味は大きい。
それは「ゲームとしてのバランスの調整」であり、
また、「新たなる発展への挑戦」ともいえよう。
それでは、
非力ながらも、このコラムがその発展の一助となることを願って、
筆を置かせていただくとしよう。


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